koko-yakkoのゲームブログ

好きなゲームの話を書きます。おそらくほぼポケモン絡みの話です。

【ポケモンSV】vsスグリ!最高のバトルで大団…円…?な長文・藍の円盤プレイ日記#6


 

※ネタバレなどを気にせず書いています。ご注意ください。

また、今回はいつにも増して長文となっております。

 


1.ついにチャンピオン戦

ブルベリーグ四天王を倒し、ついに学園チャンピオンであり、何より友人であるスグリとの対決を迎えた。

前編・碧の仮面での一件から、強さに執着するようになり、別人のように性格を歪ませてしまったスグリ

この戦いを通じて、ポケモンバトルの楽しさを思い出してくれればいいのだが…同じ想いをネリネカキツバタたちからも託された以上、ここは頑張るしかない。

観客の学生たち、リーグ四天王、そしてゼイユが見守る中、二人がコートに着く。

血の滲むような努力を重ね、力を付けたと語るスグリ

ライバルとしては嬉しいセリフなのかもしれないが…今のスグリを見ているとそういうわけにもいかない。

いいバトルができれば、あの頃の気持ちを取り戻してくれるのだろうか…。


2.頂上決戦開幕!強力パーティを乗り越えろ!

スグリの初手はカイリューニョロトノ

カイリューカキツバタ戦に続いての登場である。作品中でも、現実のゲームにおいても、カイリューが今作において強力ポケモンというのは同じ認識のようだ。

ニョロトノは雨パで長年にわたり活躍してきたポケモン。しかしカイリューは雨パ用のポケモンというわけではない気がするが…?

訝しんでいたところ、カイリューが放ってきたのは暴風…雷と並び、雨天で必中化する飛行タイプの強力な特殊技だ!

完全に不意を突かれた。ダブルバトルカイリューは、災いの剣のパオジアンと並べ、神速で上から高い物理火力を押し付けてくることが多い。

その先入観があったゆえ、特殊型の可能性が完全に頭から抜け落ちてしまっていた。

また、シングルバトルではより多様な型を持つとはいえ、まっすぐな特殊型カイリューというのはそこまで見かけない(と思う)ため、シングルを遊ぶプレイヤーでも意表を突かれた人は多いのではなかろうか。

こういった、ある種メタ的な事情まで見越してカイリューをこの方向性に育成したのだとしたら、スグリの本気度は相当高い。あとゲームフリークの本気度も相当高い。


続く3匹目はガオガエン

藍の円盤で入国してきたアローラ御三家の一角であり、高水準かつバランスの取れた能力値と強力特性の威嚇を持つ、こちらもダブルバトルの常連だ。

僕も剣盾で育成していたので連れてきたい。


さらにオーロンゲ、ポリゴンZが続く。

オーロンゲは言わずと知れた補助技・サポートのエキスパートでありつつ、攻撃もサラッとこなせる器用さを持つお馴染みのポケモン

ポリゴンZはこの中だとややマイナー寄りな気はするが、適応力によるノーマル技の威力は恐ろしいものがあり、実際、サーナイトが破壊光線によって一撃で沈められてしまった。


四天王は1匹別タイプを混ぜたりしていたものの、基本的にタイプが統一されていたため、全体攻撃でまとめて倒せたり、相性の有利不利が把握しやすかったり、と戦いやすい部分もあった。

しかしスグリは特定のタイプに偏っていないパーティ構成のため、一度に2匹を攻撃しても有効打になりにくく、どちらがどちらに攻撃し、攻撃されるのか…という矢印関係が複雑で、難しい駆け引きを要求してくる。

まさに、ブルーベリー学園のラストを担うに相応しい強敵なのだ。


3.クライマックス!テラスタル激突!

苦戦しつつも、ついに最後の1匹を引きずり出すところまでたどり着いた。

これにはスグリも焦燥感が隠せないか。

全部ぶつけて吐き出してしまえば、スグリの気も晴れる…よね?


出た!噂のカミツオロチだ!

カミッチュが進化の輝石に対応していたことで、存在が仄めかされていた進化形だ。

カミでオロチかあ…なんか深い元ネタとか考察とかがありそうな気配がする。そういった方面に詳しい方々、楽しみに待っております。


さらにテラスタル

SVのキャラがテラスタルをする際には専用のセリフがあるが、テラスタル「輝く」という側面を意識する人と、「変わる」という側面を意識する人の2パターンある気がする。スグリは後者。

そのキャラがどのような想いで、何を目的にバトルに臨んでいるのかが読み取れる注目ポイントだ。


変わることを願うスグリが選択したテラスタイプは格闘。

バトルにおける相性的にはちょっと不思議な感じもする。4倍弱点を突いてくる氷タイプや、草技や竜技を半減する鋼タイプに抜群を取れる、という利点はあるが。


スグリの変化の端緒となった事件である、激情に任せてともっこ像を殴りつけた時のや、上記セリフのように望むものを掴み取るためのスグリが手に込める想いは大きいのかもしれない。

そういった、スグリの中に燻るある種の凶暴性、そして強さへの憧れを象徴しているのが、この拳を象った格闘テラスタルジュエルなのだろう。


カミツオロチはきまぐレーザーなる新技を撃ってきた。

微妙に気が抜ける可愛らしいネーミングだが、当然初見だったので怯えた。何タイプの技なのかも分からなかったし、本気を出したってなんだ?

(後で調べたところ、確率で威力が倍になる竜技らしい。本気を出したというのは当たりの確率を引いたときのメッセージ。)


いよいよバトルも大詰め…こちらも相棒ジバコイルをテラスタルだ!

これで格闘テラバーストなどを撃たれても受ける事ができる!


渾身のラスターカノンが炸裂!

この一撃で目を覚ましてくれスグリ


というわけで、長い戦いもついに決着!

ここまでレベルが上がったにも関わらず、3匹を失う激戦だった…強かった…。


4.めでたしめでた…あれ…?

全てを出し切り、それでも負けたスグリは呆然とする。

しかしそこに観客たちから、素晴らしい試合だったとエールが送られ…

なかった。

「あーあ、負けちゃったよ」というつぶやきを残し、次々と立ち去っていく観客たち。


その光景を見て、自らが敗北したという事実を認識していくスグリ

正直、この流れは想像していなかったので、初見時は僕も呆然とした。

しかし、色々と思い返して考えれば、自分なりにその理由が少しずつ分かってきた。


この結果は、「スグリが他を切り捨て、勝利だけを追い求めていた」ことにあると思う。

観客たちは、決してスグリを嫌っていたわけではない。そうでなければ、チャンピオン戦をわざわざ見に来ないだろうし、試合中にコートの周りで応援もしないだろう。

でも、スグリが負けるところを見に来たのでは?といえばきっとそれも違う。もしそうなら、スグリを見下すような言葉を放ったり、主人公に「よくやってくれた」などと声をかけるようなシーンが描写されるのではないか。

でも観客たちは、ただ一言を残して去っていっただけだ。それも、大した感慨もなさそうな一言を。


それはきっと、スグリが勝利のみを目的とし、他の事…具体的にいえばポケモンバトルを楽しむ心を切り捨てていることを理解し、受け入れていたからではないか。

「勝利以外は無価値」という彼の価値観をどこかで認めていた彼らは、スグリが敗北した時点で、彼の価値観通りに、この試合自体を無価値なものだったと判断して去っていったのだろう。そういう意味では、彼らは「勝利至上主義のチャンピオン」たるスグリを応援する、スグリの理解者だったと言えなくもない。


そしてそれは同時に、「本当に素晴らしい試合は、自分ひとりでは実現できない」ことをあらためて教えてくれる。

作中の主人公の気持ちを正確に知ることは難しいが、少なくとも僕は、スグリの隙の無いパーティ構成と戦術、そして見たことのないポケモンとの緊張感あるバトルを大いに楽しんだし、主人公としても、スグリを変わらず友人だと思い、全力でバトルに臨んだことはこれまでの展開から想像できるところである。

しかしそれでも、スグリ、そして観客の心に響く、価値あるものにはならなかった。お互いが楽しみ、お互いが良い試合だったと納得して終われなければ、本当の意味で素晴らしい試合というのはきっと生まれないのだ。


愕然とするスグリカキツバタが近づき、声をかける。「元チャンピオン」と。

カキツバタ…嘘だよな…?

嘘だった。

「元チャンピオン」というのも、もう肩の荷は降りている、降ろしていいのだと伝え、彼の目を覚ましてやろうという彼なりの配慮だったのだろう

まあちょっと意地悪い感じがするのも否定はしきれないが…彼の性格ゆえか、あるいは多少の遺恨は隠し切れなかったか。人間臭い部分の表れである。


僕はこのカキツバタのセリフや考え方がとても好きだ。

最近、ポケモン対戦に限らず、色々なゲームで似たようなことを感じる機会が多い。


やはり僕としては、ゲームとは遊びであり、楽しむためにするものだと思う。

まあ、作中のポケモンバトルをゲームと呼ぶかは少し迷うが…スポーツの試合のようなものだと考えれば、ゲームと言っても大きな齟齬はないはずだ。

だから、勝利することがゲームの目標だからといって、楽しくない思いをしてまでそれに囚われる必要はないのだ。ましてや、それによって相手までも苦しめるならなおさら。対戦型ゲームは相手がいてくれてはじめて成り立つものだ、という大前提を忘れてはならない。


結局のところ、勝利というのはあくまでもゲームを終わらせるために必要な条件にすぎず、根本的な目的ではないと僕は考えている。

勝てば嬉しいし、負ければ悔しいと感じることは当然あるが、勝ってもあまり楽しくなかった、あるいは負けても楽しかった、と感じることだって沢山ある。楽しい、嬉しいというのは、そのゲームを満足する形で進め、終わらせることができた時に付いてくる副産物のようなものなのだ。


ただ、これはあくまでも僕の価値観であり、競技的にゲームに取り組み、その中で勝ちを目指したい、それこそが楽しいのだ、という考えの人ももちろんいるし、あるいは、どうしても勝ちにこだわらなければならないという場合だって出てくる。

ゆえに結局は、「お互いの価値観を認め、尊重し合いましょう」というありきたりな結論になってしまうのだが…。

少なくとも僕は、自分も楽しみたいし、相手にも楽しんでほしい、そうやってお互いが楽しいゲームだった、と満足して終わりたいと思っている。

だからこそ、好きなポケモンで好きな戦い方ができるようパーティを作り、強さ云々よりも気になったカードを主軸にポケカのデッキを作る。自分が考えたことで少しでも相手が驚き、新鮮な気分になって楽しんでもらえたら僕も嬉しいからだ。


このスグリカキツバタのやり取りで何を感じるかはきっと人それぞれだろう。実際、色々な意見が出ているというのは僕も何となく感じ取っているところである。

ただ、自分がどういう想いでゲームに向き合うのかを今一度考えなおすきっかけとして、非常に意義のあるイベントだったと思う。


なんだか真面目に語りすぎてしまったが、作中でも重くなりすぎた空気を察して、タロちゃんが会話に入ってきてくれた。

気配りのできる素敵な女性である。決めないといけないことだらけで本当に切羽詰まっているのかもしれないが。

その後、スグリ、ゼイユ、カキツバタと共に教室へ来るようにとのアナウンスが流れ、いったんこの場はお開きとなった。


周りのキャラたちに話しかけてみたところ、スグリを心配しているキャラがいた。

「チャンピオン」のスグリではなく、等身大のスグリを想うキャラもしっかりと存在しているのだ。これで救われた気持ちになった人も少なからずいるだろう。


なんとも意外な結末を迎えたチャンピオン戦ではあったが、ブルベリーグ戦はこれで幕を閉じた。

手持ちのポケモン達も激しい戦いを何度も乗り越え、随分とレベルが上がった。

色々な戦いがあったが、全員がその持ち味を発揮してくれた、良いパーティだったと思う。楽しかった!

正直物語の余韻が大きすぎたので、ここから何かすることあるか…?と思ったのだが、パルデアに戻ってエリアゼロを色々しなければならないことを思い出すこととなる。教室に行くまで本当に忘れていた。

その辺りはまた次回!